佰食屋のビジネスモデルをSI業界にあてはめてみる
こんにちは、トビーです。
本日は下記の本の著者が経営する「佰食屋」のビジネスモデルを、
自分のいるSI業界にあてはめてみると、どのようなアクションが取れるか、
どのようなメリットがあるのかについて考えた内容を皆さんに共有します。
本内容から、皆さんのお仕事の効率化や利益アップにつながるヒントになれば幸いです。
1.佰食屋のビジネスモデル
本題に入る前に、まず佰食屋のビジネスモデルについて簡単に紹介します。
佰食屋は、1日100食限定で特定のメニューのみを提供する形式の定食屋さんです。
1日100食限定で特定のメニューのみを提供する狙いは、大量の注文をさばき、長時間営業で売り上げを拡大していくことで、
社員の長時間労働が当たり前になっているこの現状を打開すること。
作る食数を限定し、かつメニューの種類も限定することで、
長時間労働を防ぎ、かつ覚えるメニュー数が少ないため社員に対する負担も軽減しています。
ポイントを下記の通り整理します。
【課題】
・従業員の長時間労働
【原因】
・多品種生産
・大量生産
・長時間営業
【対策】
・少品種生産
・少量生産
・短時間営業
2.SI業界にあてはめてみたときのアクションプラン
SI業界の特徴として、「人月商売」、すなわち開発するシステムの規模が大きくなるほど、たくさんの人手が必要になるためその人手の工数に応じて顧客からお金が支払われるビジネスモデルが挙げられます。
すなわち、顧客のビジネスに対するインパクト(例えば、業務効率〇%アップなど)に関わらず、開発する規模が大きければお金が支払われるといういびつな構造になっています。
この業界に佰食屋のビジネスモデルを適用すると、下記の通りとなります。
①開発規模を限定する
②開発に仕様する技術の種類(サーバ、OS、プログラミング言語)を限定する
3.SI業界に対するメリット
上記2.①、②の各案について、メリット、デメリットなど考察します。
①開発規模を限定する
→開発ベンダー側から開発規模(XX)Ks限定で開発します、と宣言することで、
その開発規模に相当する作業量しか発生しないため、基本的には長時間労働の解決につながります。
②開発に使用する技術の種類(サーバ、OS、プログラミング言語)を限定する
→こちらは、技術を限定すれば、技術者が新しい技術をキャッチアップする必要が無くなるため、一時的な生産性は上がります。一方で、新しい技術を身に着けたい、という技術者のモチベーションを奪う可能性があり、
長期的な生産性は下がる可能性があります。
以上を総合すると、SI業界にあてはめると、開発規模を限定することで長時間労働は防げるかもしれないが、技術を限定すると長期的には生産性が下がるかもしれないということが言えます。
これは、佰食屋でも、従業員がアルバイトではなく「料理を極めたい」というプロ志向の人が多ければ、同様にモチベーションの低下というのは起こるのではと思います。
SI業界に限らずIT業界というところでいうと、自社で開発規模や使用する規模を決定できる自社サービス提供企業や、社内SEといった職業の方が、SI業界よりも長時間労働になりにくく、モチベーションも保ちやすい、といったことは言えるのではないか、と思いました。