課題の分離についての考察
先日紹介した本「嫌われる勇気」に出てきた課題の分離の考え方について、自分の仕事に置き換えてみた時に思っているより単純な話ではない、と思ったことを書きます。
1.課題の分離とは?
「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か」によって、自分が取り組むべき課題と、他人が取り組むべき課題を分けて考えることを言います。
前回紹介した、「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を飲ませることはできない」という格言で言うと、馬を水辺に連れていくのは人の課題、水を飲むのは馬の課題と分離できます。
2.自分の仕事における課題の分離の難しさ
私はシステム開発プロジェクトにおいてプロジェクトマネージャ、チームリーダといったプロジェクトメンバーのマネジメントに関わっていますが、いざ自分の仕事に置き換えると、そもそも自分の課題とは何か?が難しく感じます。
例えば、開発の仕事において実際に開発するのは配下のメンバーなので開発するのは開発者の課題です。
ではマネージャである自分の課題とは?でいうと、その開発が滞りなく進められるように開発基準を整備したり、開発者の端末を準備したり、といった実作業に加え、開発の進捗状況や品質状況といったプロジェクト状況に対する結果(説明)責任といったことが含まれてきます。
したがって、開発を進めるという課題を「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か」によって分離しようとすると、基本的には開発を実行するという課題は開発者の、開発を実行した結果に対する責任を取るという課題はマネージャである私の課題ということになります。
このように、1担当者の場合は課題の分離は比較的シンプルにできますが、複数メンバーを取りまとめる管理者の立場の場合は何が自分の課題なのかは結構複雑なので、改めて考えてみることが大切だと思いました。